(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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うつ病集団認知療法受診レポート(第3回)

静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm

  • 前回(第2回)受診レポート

(2011/01/12 - Wednesday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110112#1294849952

うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。

※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。


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今回風邪で1人休み、6人で受講。講師は前回から交代して女性講師、前回の講師も含めた2人が後ろでサポートに付きました。


前回までは、うつ病認知療法についての基礎知識の確認が、受講内容のメインになっていました。
いよいよ今回から、認知療法で使用するツール「考え記録表(思考記録表)」の記録方法に入ります。


認知療法の具体的技術として、「マイナスの気持ち」が浮かんだときの「考え」を書き出して、その「考え」を客観的多角的に見直して、より現実的適応的な「考え」にすることで、「マイナスの気持ち」とうつの諸症状を改善する...その「練習帳」のようなものが「考え記録表(思考記録表)」です。

「考え記録表(思考記録表)」には、次の7つの項目があります。

  1. 「状況」
  2. 「気持ち(気分)」
  3. 「浮かんだ考え(自動思考)」
  4. 「理由(根拠)」
  5. 「見直し(反証)」
  6. 「結果(適応的思考)」
  7. 「気持ち(気分)」(2.「気持ち(気分)」が、どのくらい変化したか)

この内、今日は「1.状況」「2.気持ち(気分)」「3.浮かんだ考え(自動思考)」を書き出すことに取り組みました。

今日やった僕自身の実例を挙げながら、自身の復習も兼ねて記録します。

  • 「1.状況」

憂鬱や不安のような「マイナスの気持ち」が起きた状況。5〜15分間くらいの間の具体的な内容を書きます。

・具体例:「2011年1月5日 14:00過ぎ、認知療法初回の冒頭、自己紹介をしたとき」

  • 「2.気持ち(気分)」

生じた「マイナスの気持ち」を一言で表現します。複数の気持ちが生じる場合が多いので、全部書き出します。

・例(順不同):「焦り」「卑屈」「不安」「消えたい」「無気力」「投げやり」「腹立たしい」「イライラ」「淋しい」「ぐったり」「罪悪感」「だるい」「倦怠感」「疲労感」「怒り」「羨ましい」「ムカつく」「がっかり」「ショック」「情けない」「困惑」「諦め」「不信感」「うざったい」「落ち着かない」「恐怖」「緊張」「怯え」「悲しい」「面倒くさい」「虚無感」「憎たらしい」・・・etc.

今日の参加者全員で列挙してみました。実際やるとき、気持ちは上のどれかに当てはまるでしょう。

そして、その「気持ちの強さ」を数値にしてみます。
大体10%区切りで、今までで最大最悪なら100%、かなり強ければ90〜80%くらい、そこそこ強ければ60〜50%くらい、大したことなければ30〜20%くらい...という感じ。
ピンと来なければ、とりあえず現時点で70%くらいにしておいて、次回から今回を基準に強さの比較をします。

・具体例:「緊張」70%、「困惑」50%、「不信感」40%、「期待」70%

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

「状況」から生まれた「気持ち」により、条件反射的に頭に浮かんでくる考えを、短文で書き出します。
普段は、条件反射的に頭に浮かんでくる考えを意識することはまず無いので、いざ書き出そうとすると文章化に詰まる人も普通にいます。
しかし、その考えに気づき意識することが、認知療法で問題の解決を進める大きな一歩になります。

・具体例:
「初対面の人ばかりで、周囲の人の反応が気になる」
「自己紹介といきなり言われて、自分自身を説明するのが苦手なので困った」
「これからやる認知療法で、長年苦しんだうつ病が本当に治るか一抹の不安は隠せない。でも期待感もかなりある」

  • 今回の注意点

・「浮かんだ考え(自動思考)」を意識して気づくことが大事。「気持ち(気分)」が大きく変わったり、強く出て来たときに、それを意識することで気づけるよう練習する。

・「状況」「気持ち(気分)」「浮かんだ考え(自動思考)」を混同してしまう場合があるので、この3つを区別する。

  • 「状況」・・・具体的な場所、時間、行動、etc.

(例:「息子の家で」「車を運転している」「ベッドで眠ろうとしている」etc.)

  • 「気持ち(気分)」・・・単語で表現出来るもの

(例:上記「2.気持ち(気分)」参照)

  • 「浮かんだ考え(自動思考)」・・・短文で表現するもの

(例:「全てが上手くいかない」「彼女は礼儀知らずだ」「恥ずかしい」etc.)



「宿題」が添削されて帰ってきました。
左が第1回の宿題「SDS(自己評価式抑うつ性尺度)」、右が第2回の宿題「ワークシート 今の問題点と治療目標」です。
写真では見にくいですが、色ペンで講師からのコメントがびっしり書き込まれています...よく読めばうつ病回復の重大なヒントになるはず。