(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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うつ病集団認知療法受診レポート(第7回)

静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm

  • 前回(第6回)受診レポート

(2011/02/09 - Wednesday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110209#1297267119

うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。

※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。


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今回は前回に引き続き、認知療法で使用するツール「考え記録表(思考記録表)」の記録方法の講習です。

・再掲:「考え記録表(思考記録表)」には、次の7つの項目があります。

  1. 「状況」
  2. 「気持ち(気分)」
  3. 「浮かんだ考え(自動思考)」
  4. 「理由(根拠)」
  5. 「見直し(反証)」
  6. 「結果(適応的思考)」
  7. 「気持ち(心の変化)」(2.「気持ち(気分)」が、どのくらい変化したか)


・追記:上記の項目で、( )で囲った用語が、認知療法で使用される本来の用語です。今回の認知療法用テキストでは、専門用語を解りやすくするために、一般的な言葉に置き換えて使用しています。
特に説明がない限り「用語(本来の専門用語)」の形式で記述します。

今回は、「考え記録表(思考記録表)」作成をさらに練習した上で、「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」を学習しました。

  • 例:今日「考え記録表(思考記録表)」作成練習に使った事例。
  • 「1.状況」

職場で、仕事を進めるために相談しなければならない事がある。
でも皆忙しそうで、聞きたくても聞けない。

  • 「2.気持ち(気分)」

・憂鬱(85%)
・気が重い(95%)
・焦り(90%)
・情けない(90%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

このまままでは仕事が進まない。
・困ってるのに気づいてもらえない。
・聞くのは恥ずかしい。
・聞いた人が困りそうで申し訳ない。


※強調したのが「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」。(テキストでは丸で囲みました)

  • 「4.理由(根拠)」

・他の人の仕事を止めてしまう。
・自分1人では解決出来ない。
・間に合わないと上司に怒られる。
・初歩的なことかもしれないのに、自分には分からない。

  • 「5.見直し(反証)」

・後で相談に乗ってもらう時間を取ってもらう。
・今聞いた方が、後になって聞くより問題が小さくて済む。
・聞こうとしていることは、仕事の優先度として低いかも。
・上司は、部下の相談に乗るのが仕事だ。

  • 「6.結果(適応的思考)」

・仕事はチームプレーなので、他の人の仕事を考慮しつつ自分の仕事の必要性を分かってもらう。(90%)
・他の人に聞くのも仕事のうちだと考える。(70%)
・1人で困ってるばかりでは他の人に分かってもらえないので、とにかく必要なことは言う。(50%)
・上司に伝えて、判断を仰ぐ。(90%)

  • 「7.気持ち(心の変化)」

・憂鬱(35%)
・気が重い(30%)
・焦り(45%)
・情けない(5%)

  • 今日の要点

自分の「考え記録表(思考記録表)」を何枚も作っていくと、「3.浮かんだ考え(自動思考)」で同じようなパターンが何度も出てくることに気がつきます。
それが、自分の「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」です。

うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」には、下記の9種類があるとされています。

1.白黒思考
あいまいな状況に耐えられず、白黒はっきりつけないと気が済まない。


2.過大評価と過小評価
否定的なことは大げさに、肯定的なことは無かったかのように、物事を捉える。


3.極端な一般化
些細な、少数の事柄をとらえて、あたかもそれが全てに当てはまるように考えてしまう。


4.すべき思考
「〜するべき」「〜するべきだった」と、過去をひたすら悔やんだり自分の行動を責める。


5.自己関連づけ
何か悪いことが起こったら、全て自分のせいで起こったことだと自分を責めてしまう。


6.気持ちからの決めつけ
客観的事実や視点でなく、その時の気分で現状を判断してしまう。


7.部分的焦点づけ
客観的視点でなく、自分が着目していることだけで、結論を出してしまう。


8.根拠の無い決めつけ
十分な証拠も無いのに、思いつきだけで否定的な結論を出してしまう。


9.否定的自己予言
最初から否定的な予測をして、自らを萎縮させて、予測通りに失敗してしまう。


「浮かんだ考え(自動思考)」を、上の9種類のいずれかに当てはめてみます。考えの見方によっては複数に当てはまる場合もあります。

・例

  • 「1.状況」

訪ねてきた友人が、自分の家族のことばかり楽しそうに話す。

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・自分が惨めな気持ちになってるのに、楽しそうに話すことは無い。
・誰も自分のことを分かってくれない。

・自分が惨めな気持ちになってるのに、楽しそうに話すことは無い。
→「惨めな気持ち」に囚われて決めつけてる・・・「6.気持ちからの決めつけ」
→元気づけようとしている友人の気遣いに気がつかない・・・「7.部分的焦点づけ」


・誰も自分のことを分かってくれない。
→1人の友人から「誰も」と飛躍してる・・・「3.極端な一般化」
→理由が曖昧なのに「誰も分かってくれない」と断定・・・「8.根拠の無い決めつけ」

自分の「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」に気がつけば、自分の様々な事例で「考え記録表(思考記録表)」を作りやすくなります。
そして「見直し(反証)」「結果(適応的思考)」で、そのクセを正すような内容を見つけやすくなり、「気持ち(心の変化)」の数値を小さくする効果が大きくなって、うつな気持ちや考え方が減っていくことになります。


この「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」、うつ病認知療法関係の本では、ほとんど前半に出て来ます。そして「思考記録表を作りながら、自動思考に当てはめろ」と書かれてます。
しかし実際に認知療法をやってみて分かったことですが、「考え記録表(思考記録表)」で「理由(根拠)」「見直し(反証)」をひねり出すのに四苦八苦しているような状況で、「自分の考え方を9つの中から選べ」というのは、相当な無理難題です。
静岡市こころの健康センターの集団認知療法テキストで、「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」を終盤へ持ってきてあるのは、賢明な編集だと僕は想いました。


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先週から顕在化してきた、僕の「根源的な壁にぶつかった」ですが、「考え記録表(思考記録表)」に途中まで表してみます。

  • 「1.状況」

職場で、上司や同僚と、コミュニケーションを取る必要が発生したとき。

  • 「2.気持ち(気分)」

・緊張(80%)
・不安(80%)
疲労感(90%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・上司同僚に何を言われるか分からない。
訳も無く怒られたり批判されるかもしれない。
不定愁訴でこの場にいるのも辛い

  • 「4.理由(根拠)」

・子供時代、周囲から理不尽ないじめを受けた。
・大人になってからも、悪徳業者に騙されたり脅されたりした。
・身近な人(両親すら)が、上記の状況で適切な対応や助言をしてくれなかった。
・だから1人でいなければ安心出来ない。


今回の「うつ病の人特有の、考え方のクセ(特徴的な認知のゆがみ)」に当てはめれば、

・訳も無く怒られたり批判されるかもしれない。
→いじめや悪徳商法被害の拡大解釈で、「2.過大評価と過小評価」「3.極端な一般化」
→だから1人でいなければ安心出来ないは、「7.部分的焦点づけ」「8.根拠の無い決めつけ」

となるでしょうか。


ここまで自分で分かっていながら、「超えられない壁」になってしまったのは、

・「他人と関わって悪かったこと、嫌だったこと」>>>>>>>>「他人と関わって良かったこと、楽しかったこと」
・40年分の事実による「自分に近寄ってくる人は、自分に災いをもたらす」刷り込み。

によるもの。


プライベートなら問題にならないのです。常に「お一人様」で行動すれば済むし、それが通用するから。
でもビジネスの世界では「お一人様」は通用しません。例えフリーランスで仕事をしていても...
だましだまし会社勤めを四半世紀...その歪みが一気に噴き出してしまった結果が、ここ2年ほどの僕の状態です。


僕の「見直し(反証)」「結果(適応的思考)」は、まだ見つかっていません。うつ病集団認知療法受診はあと1回...