(静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm)
これの「2010年(平成22年)度 第3期」受診が出来ることになりました。
2010年度の第1期から申し込んで、応募者多数で落選すること2回。一時は休職にまで追い込まれましたが、3度目の正直でようやくここまで...僕にとってはあまりにも長かった。
2011年1月5日〜2月23日までの毎水曜日、全8回。
今日が初回の日なので、行ってきました。
「うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病の認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。
・今回の集団認知療法用テキスト
※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。
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開始は14:00から、その15分前に静岡市こころの健康センターに到着したら、一番乗りでした。
今回の受診者は僕を含めて、男性4人女性3人の、計7人。
治療を行うのは、男性講師1人女性スタッフ2人の、計3人。
こころの健康センターの一室が、集団認知療法の会場として設定され、学習塾のように机と椅子があって受診者が着席して、講師が前でホワイトボードを背に、スタッフが後方でサポートに付く、座学形式で行われました。
まずは講師とスタッフが挨拶し、受診者が顔見せと名前だけ自己紹介して始まります。
テキストはまず「うつ病について」から始まりますが、参加者は全員うつ病患者でそこら辺は理解してる(はず)なので、「うつ病の再発と慢性化」から説明を始めました。
・うつ病患者の2〜3割は慢性化する。
・うつ病が慢性化する要因・・・多数の原因が複合的に関与する。「環境(家庭、職場、etc.)」「本人の価値観」「心理面(葛藤、性格、etc.)」「医師と患者の関係(マンネリ化、不信感、etc.)」「投薬(過多、過少、患者に合わない)」「他未知の原因」
続いて「認知療法」がどのようなものかの説明になりましたが、詳しい説明の前に実例が紹介されました。
例:30代女性のケース
現在うつ病で通院中。家事がまともに出来ない状態だが、夫の理解は一応ある。
心配した友人が訪ねてくるが、楽しそうに家族の事を話す友人と比較して、自分が家族と楽しめないことで自分を責めて、余計に憂鬱になってしまっている
講師は「ここで、皆さんはこの女性にどんなアドバイスが出来ますか?」と受診者に問いました。
僕は「自分が、同じかそれ以上の問題を抱えてるのに、他者にアドバイスなんて...」と想い、他の受診者も戸惑ってるようでなかなか問いに答えられないでいました。
それでも、女性受診者の一人が遠慮がちに手を挙げて発言したのを皮切りに、30分くらいかかって受診者ほぼ全員から様々なアドバイスが出され、講師がホワイトボードに書き込んでいきました。
その一部だけ紹介。
・「その話題は不快になる」と、友人にはっきり伝える
・行きつけの店の店員やネットのBlogや掲示板等、他で話を聞いてくれる人や場所を探す
・所詮自分以外の人には他人事だから、いっそ何もしない
etc.
そして、上記の実例を認知療法で治療したときに使用した「考え記録表」を、テキストに記載されたもので紹介しました。
- 参考:認知(行動)療法について(http://home.p02.itscom.net/kibunnet/ninti.htm)
・このWebページの「思考記録表」参照(「生活行動記録表」「歪み思考記録シート」「コラムシート」等、文献によって名前が変わったりしますが、いずれも同じ物です)
これの実際の使い方は、第3回以降に説明してくれるとのこと。
そして認知療法の概要(要点)の説明です。
- 『自動思考』理論(認知療法の前提となるもの)
「何か出来事が起きる」→「それを自分が受け止める」→「条件反射的に考えが浮かぶ(これを『自動思考』と呼ぶ)」→「その考えを反映した気持ちがわいてくる」→「快適になったり憂鬱になったりする」
ここが「キモ」。健康な人なら『自動思考』でネガティブな考えが浮かんでも、別の見方による「反論」が無意識のうちに出て来て、心のバランスを保ちます。
しかし「うつ病」の人は、自動思考でネガティブな反応が出やすく、さらに別の見方による「反論」が上手くできないため、不快なマイナス思考の悪循環に陥ってしまいます。
ここで『自動思考』で出て来た考えとその時の気持ちを「考え記録表」に書き出して、別の見方による「反論」が出来るように練習することで、うつ病による不快なマイナス思考の悪循環を断ち切り、鬱な気分を改善させるのが「認知療法」ということです。
僕は多数のうつ病関連書籍を読んで、「考え記録表」の概要も既に知っていました。
でもいざ自分でやろうとしても、出来事に対する自動思考やそこから出る気持ちは書き出せても、別の見方による「反論」が思いつかなくて躓いてしまっていました。
上記の「実例」に対する、受診者のアドバイス(「反論」)の大半は僕の想定内でしたが、想定より一寸外へ出た意見もありました。
他の参加者やスタッフの意見を取り込んでいけば、躓いた「反論」にたどり着けるかもしれない...一寸期待を持つことが出来ました。
今日の認知療法の内容はここまで。
・補足1:「認知療法」だけで、ましてや今回の8回の受診だけで、うつ病が改善するわけではない。適切な休養や投薬と組み合わせて、8回の受診で身につける「認知療法」の対処法を継続することで、うつ病の治療回復につなげていく。
・補足2:うつ病では、「気分が落ち込む」「意欲が失われる」等精神症状以外にも、「不定愁訴」と呼ぶ、頭痛、腹痛、頭重感、倦怠感、etc.あらゆる身体症状も現れるが、認知療法を実践して精神症状を改善すれば、身体の症状も連動して改善が見込める。この件は次回に説明するとのこと。
次回は1月12日(水)。
認知療法受診者には、毎回次回の受診までに「宿題」が出されます。
今回の宿題は、このチェックシートに回答することでした。
- 参考:sdsによるうつ病判断
(うつの原因・治療法を知って、うつ病を治しましょう:http://utukaizen.com/sds.html)
まずは簡単な内容から。愚直に進めていきましょう。