(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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うつ病集団認知療法受診レポート(第4回)

静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm

  • 前回(第3回)受診レポート

(2011/01/19 - Wednesday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110119#1295446751

うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。

※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。


〜〜〜〜〜〜〜〜
今回は前回に引き続き、認知療法で使用するツール「考え記録表(思考記録表)」の記録方法の講習です。

・再掲:「考え記録表(思考記録表)」には、次の7つの項目があります。

  1. 「状況」
  2. 「気持ち(気分)」
  3. 「浮かんだ考え(自動思考)」
  4. 「理由(根拠)」
  5. 「見直し(反証)」
  6. 「結果(適応的思考)」
  7. 「気持ち(心の変化)」(2.「気持ち(気分)」が、どのくらい変化したか)


・追記:上記の項目で、( )で囲った用語が、認知療法で使用される本来の用語です。今回の認知療法用テキストでは、専門用語を解りやすくするために、一般的な言葉に置き換えて使用しています。
前回にさかのぼって以降、特に説明がない限り「用語(本来の専門用語)」の形式で記述します。

今回は、前回の1.〜3.に続く「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」に取り組みます。
今日やった例を挙げながら、自身の復習も兼ねて記録します。

  • 「4.理由(根拠)」
    • 4-1.「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」

「3.浮かんだ考え(自動思考)」で列挙した、条件反射的に出て来た考えの中から、特にマイナスの気持ちにつながる考えをピックアップします。これを「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」と呼びます。
(「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」は、必ずしも1つだけとは限らず、また「2.気持ち(気分)」の数値の大きさと一致しない場合があります)

  • 例(その1)
  • 「1.状況」

金曜日、17:00、駅のホームで、一人きりで電車を待っているとき。

  • 「2.気持ち(気分)」

・不安(80%)
・ドキドキ(60%)
・孤独感(100%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・今日も1日何もせずに終わってしまった。
・ずっとこんな日が続くかもしれない。
私には何もない。


※強調したのが「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」。(テキストでは丸で囲みました)

「浮かんだ考え(自動思考)」が、自分の「気持ち(気分)」に影響します。特にマイナスの気持ちを強く引き出す「浮かんだ考え(自動思考)」が、うつ症状を悪化させる要因になってきます。
そこで、この「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」に着目して、自分に意識して働きかけることで、「気持ち(気分)」をより適切な方向へ変化させる...と講師は説きました。

    • 4-2.「理由(根拠)」

4-1.で「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」を意識出来たら、「何故そのように考えるのか」=そう考える「理由(根拠)」を見つけて、「考え記録表(思考記録表)」に書き込みます。
書き込む内容は、主観的な推測ではなく、客観的な事実や自身が体験した経験です。

  • 例(その2)
  • 「1.状況」
  • 「2.気持ち(気分)」
  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・・・上記「例(その1)」参照

  • 「4.理由(根拠)」

・金曜日で明日から土日の休日なのに、何の予定もない。
うつ病で仕事が満足に出来ず、収入が安定しない。
・側に頼れる、話せる人がいない。

  • 「5.見直し(反証)」

「状況」「気持ち(気分)」「浮かんだ考え(自動思考)」「理由(根拠)」まで列記した上で、今度は「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」に対して、客観的に見て矛盾する事実を見つけていきます。

  • 例(その3)・・・慢性化して長期治療中のうつ病患者とする。
  • 「1.状況」

土曜日、21:00

  • 「2.気持ち(気分)」

抑うつ(100%)
・絶望感(90%)
・困惑(80%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・全然うつ病が治らない。
・自分には生きる価値がない。
こんなに辛いならもう死ぬしかない


(強調が「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」)

  • 「4.理由(根拠)」

・この苦しみにはもう耐えられない。
・色々試したが、薬も認知療法も効かない。
・この苦しみから逃れるには死ぬしかない。

  • 「5.見直し(反証)」


(思いつかない)

テキストも「見直し(反証)」が空欄になっていました。
そしてテキストには、この患者と精神科医のやりとりの会話が書かれていました。講師は「この会話のやりとりの中から、「見直し(反証)」に書き込める内容を探してください」と課題を出しました。


この「見直し(反証)」は、非常に難しい課題だと想います。
もとよりうつ病患者は、マイナスの気持ちが強く浮かび、さらにそれを支持するような考えばかり思い浮かぶような、悪循環に陥ってしまっています。
そしてここに集まってるのは、うつ病患者ばかり...僕も読書療法による自習で、ここで挫折しています。
サポートスタッフも加わって、みんなで散々考えて「見直し(反証)」をひねり出してみました。

  • 「5.見直し(反証)」

・今までずっとうつ病だったが、死なずに何とかなってきた。
・つらさや弱音を吐くと、聞いてくれる友人が居る。
・...


講習終了前に、今回の感想を受講者が述べ合いましたが、全員が今日の受講内容、特に「見直し(反証)」の難しさを挙げてました。
僕も今日の受講内容を想い出しながらこの記事を書いてますが、「見直し(反証)」の内容やコツが理解出来たとは想えません...読書療法の自習では「見直し(反証)」を、「虫の良い事実曲解」「単なる現実逃避」としか想えなかったし。それを感想で言ったら、講師が即座に首を振って否定しました。


次回(第5回)で、改めて「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」の理解と、例題による練習に取り組むことを、講師と受講者の間で確認しました。



前々回までの宿題と、前回終了間際にやった心理テストの結果。
・認知の歪み発見スケール(Disfunctional Attitude Scale)
・TEGエゴグラム(東大式エゴグラム


・参考

  • DASをネタに。その1

(@Fernwelt:http://fernwelt.net/b/das-1/

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/8597/991007.html


うつ病を、認知療法による「考え記録表(思考記録表)」で克服するに当たり、自分の考え方や行動の癖を自覚しておいた方がよい...ということと、これを解釈しています。
で、エゴグラムは以前にもやってますが、傾向こそ同じ(僕の場合、「FC」が極端に低く、「AC」が極端に高い)ものの、前回と微妙に結果が違います。講師の説明では、エゴグラムの結果はその時々の被験者の様々な状況により変化するものだとのこと。