- 国旗国歌強制、二審は合憲 東京高裁、教職員ら逆転敗訴
(47NEWS:http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012801000468.html)
東京都立高校などの教職員ら395人が、都と都教育委員会に対し、入学・卒業式で日の丸に向かって起立し、君が代を斉唱する義務がないことの確認や損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は28日、起立、斉唱の強制を違憲とした一審判決を取り消し合憲と判断、請求を全面的に退けた。
原告は都立高校、盲・ろう・特別支援学校の教職員やその退職者。逆転敗訴となり、上告の意向だ。
・この件の、大手新聞社の社説
- 君が代判決―少数者守る司法はどこへ
(asahi.com〜社説:http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit2)
判決理由からは、国民一人ひとりが大切にする価値や譲れぬ一線をいかに守り、なるべく許容していくかという問題意識を見いだすことはできない。「誰もがやっているのだから」「公務員なのだから」と理屈を並べ、忍従をただ説いているように読める。
それでいいのだろうか。
私たちは、式典で国旗を掲げ、国歌を歌うことに反対するものではない。ただ、処分を科してまでそれを強いるのは行き過ぎだと主張してきた。
最後は数の力で決まる立法や行政と異なり、少数者の人権を保護することにこそ民主社会における司法の最も重要な役割がある。最高裁、高裁とも、その使命を放棄し、存在意義を自らおとしめていると言うほかない。
- 国旗・国歌訴訟 起立・斉唱認めた妥当な判決(1月29日付・読売社説)
(YOMIURI ONLINE:http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110128-OYT1T01044.htm)
東京高裁はそう判断し、「通達は違憲」とした1審・東京地裁判決を取り消した。
日の丸・君が代は国旗・国歌として、多くの国民に定着している。自国はもとより、他国の国旗や国歌に敬意を表すのは、国際社会で当然のマナーである。高裁判決は妥当な司法判断と言えよう。
(中略)
学習指導要領は、教師に対し、国旗の掲揚と国歌の斉唱を指導するよう定めている。しかし、それが学校で十分に守られていなかったために出されたのが、都教委の通達だった。
教師が個人的に様々な歴史観や世界観を持つのは構わない。だが、指導要領に反してもいいということにはなるまい。
(中略)
・対照的な2つの社説を読み比べて、「日本の言論と報道の自由は、まだ大丈夫のようだ」と、一寸胸をなで下ろしました。
・世界的に見て、自国の国旗と国家に敬意を表さないのは異様に映るでしょうけど、70年近く前の戦争のいきさつを踏まえれば、対立する議論があること自体は正常かと。これが中国や北朝鮮だったらどうだろうか...考えるまでもない、好ましくない結果になるか。
・僕が「君が代」「日の丸」について、どう想うかは「保留」としておきます。