(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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うつ病集団認知療法受診レポート(第5回)

静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm

  • 前回(第4回)受診レポート

(2011/01/26 - Wednesday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110126#1296052725

うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。

※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。


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今日は欠席が2人。先週休んでいた人が出席しましたが、インフルエンザで隔離状態だったとのこと...今年流行拡大してます、皆さんも注意を!


今回は前回に引き続き、認知療法で使用するツール「考え記録表(思考記録表)」の記録方法の講習です。

・再掲:「考え記録表(思考記録表)」には、次の7つの項目があります。

  1. 「状況」
  2. 「気持ち(気分)」
  3. 「浮かんだ考え(自動思考)」
  4. 「理由(根拠)」
  5. 「見直し(反証)」
  6. 「結果(適応的思考)」
  7. 「気持ち(心の変化)」(2.「気持ち(気分)」が、どのくらい変化したか)


・追記:上記の項目で、( )で囲った用語が、認知療法で使用される本来の用語です。今回の認知療法用テキストでは、専門用語を解りやすくするために、一般的な言葉に置き換えて使用しています。
特に説明がない限り「用語(本来の専門用語)」の形式で記述します。

今回は、先週の「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」の理解度不足を補うため、幾つかの例題を使って復習と理解度の向上に取り組みました。
今日やった例を挙げながら、自身の復習も兼ねて記録します。

  • 例(その1、前回使用した例題、1.2.3.4.までは再掲)
  • 「1.状況」

金曜日、17:00、駅のホームで、一人きりで電車を待っているとき。

  • 「2.気持ち(気分)」

・不安(80%)
・ドキドキ(60%)
・孤独感(100%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・今日も1日何もせずに終わってしまった。
・ずっとこんな日が続くかもしれない。
私には何もない。


※強調したのが「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」。(テキストでは丸で囲みました)

  • 「4.理由(根拠)」

・金曜日で明日から土日の休日なのに、何の予定もない。
うつ病で仕事が満足に出来ず、収入が安定しない。
・側に頼れる、話せる人がいない。

  • 「5.見直し(反証)」

・ダイヤが正確な日本なら、ダイヤ通り必ず電車がやって来る。
・自分には、帰る家がある。
・家では、家族が迎えてくれる。
・今はきちんとした治療の必要があるから、休職の手続きをしてある。
・休職中でも、休業補償分の給料はもらっている。
・主治医が、治療に尽力してくれている。
・時々、友人が心配して連絡をくれる。

他の例題も用いて、サポートアシスタントの助けも借りながら、「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」を列挙する練習に取り組みました。
先週用いた「5.見直し(反証)」の例題は、重症患者の事例でピンと来なかったので、今日の上記事例の方が分かりやすいかと...

  • 今日の要点
    • 「5.見直し(反証)」の列挙

講師も「認知療法受講者の多くがここでつまづく」と語っていました。
うつ病患者は顕著ですが、「悪い方向に考えてしまう時は、大抵その方向を示す事実ばかり見てしまう」。そして「そんなことばかりではない、別の視点の事実」が見えなくなりがちです。


悪い方向の事実は、あくまで可能性の1つであり、そうではない事実も客観的に見れば必ずあるはずです。
「屁理屈でもこじつけでも良いので、可能性のある事実なら何でも、出来うる限り列挙して書き出す」練習をしましょう...と講師は語りました。
上記例題では、「私には何もない」という「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」に対して、「私には何もないと言うことはない、こんなことやものがある」事実や実体験を列挙します。


この「考え記録表(思考記録表)」の作成は、ここで終わりではなく、1.〜5.までの列挙から「6.結果(適応的思考)」「7.気持ち(心の変化)」を導き出す作業が続きます。それまでに書き出した内容におかしな点があれば、逐次見直せば良いだけのことと割り切りましょう。

    • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」の区別

「考え記録表(思考記録表)」の作成に慣れないうちは、「3.浮かんだ考え(自動思考)」「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」を混同したり、思いついた考えをどこに当てはめるか分からなくなりがちです。


・「3.浮かんだ考え(自動思考)」
...見聞き、体験したことに対して、条件反射的に出てくる考え。追って考えてひねり出すものではありません。
...同じ事を見聞き体験しても(同じ例題でも)、人によって受け止め方に個人差があるので、(ほぼ)必ず人によって違う考えになります。
...条件反射的に出て来た(複数の)考えの中で、最も気持ちが大きく揺れ動いたものが「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」です。


・「4.理由(根拠)」
...「3.浮かんだ考え(自動思考)」で出て来た「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」を裏付ける(肯定する)ような、客観的事実や実体験。
...今回のような例題で提示したものに「理由(根拠)」を付ける場合、客観的事実に基づいて列挙するので、複数人で同じ答えが出ることが多いです。


・「5.見直し(反証)」
...「3.浮かんだ考え(自動思考)」で出て来た「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」に対して、「そうではない」客観的事実や実体験。(必ずしも「理由(根拠)」を「否定する」ものばかりではない)
...今回のような例題で提示したものに「見直し(反証)」を付ける場合、客観的事実に基づいて列挙するので、複数人で同じ答えが出ることが多いです。


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参加者は、今日の復習と練習でもまだ「考え記録表(思考記録表)」で「3.浮かんだ考え(自動思考)」「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」を区別して列記するのに戸惑ってるようでした。
僕もまだ戸惑いを隠せませんが、ブレイクスルーになりそうな言葉を講師から引き出せました。
「見直し(反証)は、屁理屈でもこじつけでも良いので、何でも列挙して書き出す」
また、本来は医師やカウンセラーと1対1で行う認知療法を、複数人のグループで行う利点も出て来ました。「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」を考えるとき、他の人なら自分が想いつかないような事例を挙げてくれるのは、良い参考&刺激になります。


毎回出る宿題、今日は「考え記録表(思考記録表)」で、本来7つまである項目のうち「見直し(反証)」までの5つの項目がある表の用紙を渡されました。
毎回提出している宿題には、講師が色ペンでびっしりコメントやアドバイスを書き込んで返してくれるので、自分自身の苦しんでる事例を書き込めば、きっと良いアドバイスがもらえるでしょう。