(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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うつ病集団認知療法受診レポート(第6回)

静岡市こころの健康センター:http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/desaki_kokoro_group.htm

  • 前回(第5回)受診レポート

(2011/02/02 - Wednesday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110202#1296657748

  • 番外編

(2011/02/07 - Monday:http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20110207#1297087975

うつ病」に悩む人(僕自身も含め)のため、また日本ではうつ病認知療法を行っているところが少なく、情報が手に入りにくく困ってる人のため、これから僕が受診してきた内容を、差し障りのない範囲でレポートに書き起こしてみます。

※注:僕がこのBlogに書き起こすのは、あくまで「静岡市こころの健康センター」で実施される「うつ病集団認知療法」についてです。他の医療機関で行われる認知療法は、この内容と異なる場合があります。


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今回は前回に引き続き、認知療法で使用するツール「考え記録表(思考記録表)」の記録方法の講習です。

・再掲:「考え記録表(思考記録表)」には、次の7つの項目があります。

  1. 「状況」
  2. 「気持ち(気分)」
  3. 「浮かんだ考え(自動思考)」
  4. 「理由(根拠)」
  5. 「見直し(反証)」
  6. 「結果(適応的思考)」
  7. 「気持ち(心の変化)」(2.「気持ち(気分)」が、どのくらい変化したか)


・追記:上記の項目で、( )で囲った用語が、認知療法で使用される本来の用語です。今回の認知療法用テキストでは、専門用語を解りやすくするために、一般的な言葉に置き換えて使用しています。
特に説明がない限り「用語(本来の専門用語)」の形式で記述します。

今回は、前回からさらに進んで「6.結果(適応的思考)」「7.気持ち(心の変化)」を記入して、「考え記録表(思考記録表)」を完成させるところまで行いました。
今日やった例を挙げながら、自身の復習も兼ねて記録します。

  • 「1.状況」

同窓会の幹事を任された。
昨日、案内状の日付を間違えて発送してしまった。

  • 「2.気持ち(気分)」

・憂鬱(80%)
・面倒(90%)
・不安(90%)
・腹立たしい(90%)

  • 「3.浮かんだ考え(自動思考)」

・だからこういうことを引き受けると、ろくな事がない。
いつも失敗する。
・信用を失ってしまう。


※強調したのが「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」。(テキストでは丸で囲みました)

  • 「4.理由(根拠)」

・受け取った人の気持ちを考えると、複雑な感情がわく。
・会員に迷惑をかける。
・自分は幹事に向いていない。
・細かいことが苦手。

  • 「5.見直し(反証)」

・間違いは誰にでも起こりうる。
・訂正連絡をすればカバー出来る
・自分がポカミスをよくやるのは、会員には周知のこと。

  • 「6.結果(適応的思考)」

・間違えたことは仕方のないことと割り切って、速やかに訂正連絡をする。(90%)

  • 「7.気持ち(心の変化)」

・憂鬱(40%)
・面倒(50%)
・不安(50%)
・腹立たしい(50%)

  • 今日の要点
    • 「6.結果(適応的思考)」を見つける

うつ病患者は顕著ですが、マイナスの気持ちの時に浮かぶ「浮かんだ考え(自動思考)」「理由(根拠)」は、自分にとって「正しいと思い込んでしまっている」ものです。
これを「考え記録表(思考記録表)」を使って「見直し(反証)」することで、「思い込みの枷」から外れた偏りのない「結果(適応的思考)」を導き出します。


・「結果(適応的思考)」を導き出すコツ。

(1)「4.理由(根拠)」「5.見直し(反証)」を出来るだけ沢山挙げる。
結果を出すための材料は多いに超したことはありません。

(2)必ず紙に書き出す。
頭の中で考えるだけでは、「理由(根拠)」に囚われて、なかなか抜け出せません。書き出した「理由(根拠)」を外からの視点で眺めることで、「見直し(反証)」を見つけやすくなります。

(3)「理由(根拠)」と「見直し(反証)」をつなげてみる。
上記の例では「自分は細かいことが苦手。『でも』それでポカミスをよくやるのは、会員には周知のこと。」と2つの面をつなぎ合わせると、総合的にとらえた結果に近づきます。
ただし単純に(「理由(根拠)」+「見直し(反証)」÷2)にならないように、総合的にとらえることを心がけます。

(4)アドバイスするつもりで。
自分の大切な人が、同じようにマイナスな考えで苦しんでると想定して、「こう考えた方が楽だよ」「こうやったほうが上手く事が進むよ」とアドバイスしてみましょう。それが自分へのアドバイスになります。

    • 確信度を数値化する

「結果(適応的思考)」を書き出したら、その内容を数値化してみます。
「2.気持ち(気分)」と同じやり方で、およそ信じられないなら「0%」、これなら間違いないと確信出来るなら「100%」、その間10%刻みで表現します。
この数値が大きければ、よりマイナスの気持ちを和らげる効果が大きくなるはずです。

    • 「気持ち(心の変化)」はどうなったか?

「6.結果(適応的思考)」まで書き出せたら、「2.気持ち(気分)」の言葉を「7.気持ち(心の変化)」欄に書き込みます。
そして「結果(適応的思考)」によって「気持ち(気分)」の強さがどのくらい変化したか、「気持ち(心の変化)」に数値を付けて、「気持ち(気分)」と比較しましょう。

これで「考え記録表(思考記録表)」は完成です。
ここまでの作業が上手くいっていれば、「2.気持ち(気分)」の数値より「7.気持ち(心の変化)」の数値の方が小さくなり、気分が少しは「楽に」「明るい方向へ」変化するはずです。


変化がない場合は、「浮かんだ考え(自動思考)」「理由(根拠)」「見直し(反証)」に抜けがないか、各欄に正しく当てはめているか、見直してみましょう。
「強く気持ちにつながる考え(ホットな自動思考)」が複数ある場合もあります。その場合は各々「理由(根拠)」「見直し(反証)」を列挙する必要があります。
少し時間をおいてから、何度でも「考え記録表(思考記録表)」を見直したり作り直したりしてみましょう。


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今日の参加者からの感想では、「4.理由(根拠)」と「5.見直し(反証)」の間に「壁がある」と表現していました。
自分の頭の中で考えるだけでは、「理由(根拠)」までを延々とネガティブループするだけになりがちで、書き出した上で講師のアドバイスや他者の意見に触れないと「見直し(反証)」にたどり着くことが難しい...僕も同感です。


「番外編」のクローズアップ現代では、放送時間の制限で、登場したうつ病患者が認知行動療法を受けたときに、このような医師とのやりとりや自問自答を延々と続けた結果うつ病を克服出来たことにまで、番組内で紹介し切れてません。
認知行動療法は、患者も医者もたっぷり時間と労力をかける必要があることは知っておいてください。その代わり適切に行えば、投薬だけでは上がらない治療効果は、必ず上がります。


僕ですが、ここまでやって来て、根源的な壁にぶつかったことを自覚することになりました。
まだ上手く文章化出来ないので、その説明は後日...